遺産相続トラブルを弁護士に相談するメリットは?
遺産相続は、故人が遺した財産をただ分ければ良いのではなく、それが生前贈与によるものか、特別受益によるものか、もしくは寄与分や遺留分なのか等によって扱いが変わり、かつそれぞれの手続きの理解や進行は実に煩雑です。
また相続人同士の協議は感情のもつれが生じやすいことからも、弁護士を介入させて円滑に話し合いを進める必要があります。
ここでは、遺産相続問題が生じた時に弁護士に相談すべきメリットについてご説明します。
弁護士が介入すると当事者間の感情的な争いを避けることができる
遺産相続は、「法律に従って財産を分割すれば良い」というものではなく、相続人が生前の故人にどう接してきたか、人間関係の在り方が大きく影響してきます。自分の方がより故人に尽くしていた、あの人は生前何も協力してくれなかった等、感情的なこじれが生じやすく、非常に根深いものであることがわかります。
弁護士は全くの第三者でありながら、法的根拠のもとに相続問題を取り扱うことのできるプロであることから、介入により話し合いを冷静に進めることができます。じっくり話を聞く弁護士ほど、関係者の抱える溜飲を下げることに繋がり、適切な第三者が必要事項を説明し理解を求めることで、相続人同士の関係性の悪化を防ぐ効果もあります。
何より弁護士は常に毅然とした態度で動揺がなく、丁寧に話を進めることができますので、当事者のみで協議を進めるよりも遥かにスムーズになります。
法的根拠に基づいた正当な主張により有利な条件で交渉を進めることができる
相続人同士に軋轢がなく、法定相続割合に従って分割することに何の異論もない場合、大きな障害なく話を進めることができますが、少しでも多く遺産を受け取りたいと考えている場合は、揉め事に発展しやすいと言えます。
このような時に弁護士がいれば、遺産を多めに相続したい理由と根拠を明確に主張し、他相続人の感情にも配慮しながら交渉を進めることができます。自分ばかり有利になるよう主張するのではなく、上乗せを希望する事情を説明し、希望する財産と譲る財産をはっきり伝えて譲歩点を提供する等、当事者ができるだけ納得しやすい条件を見つけながら話し合うことが非常に大切なのです。
一番のメリットは、弁護士を代理人とすれば他の相続人よりも圧倒的に豊富な法的知識と経験を得られる点にあります。法的根拠が明確であれば堂々と主張することができ、他の相続人は納得の上で譲歩する可能性が高くなります。弁護士は、法的に主張できない点についてもしっかり教えてくれるので、無理な主張を行って反感を買う事態を避けることもできます。
調停や裁判に発展した場合でも力強くサポートしてもらえる
相続問題が話し合いでは解決しなかった場合、調停や審判等に至ることがあります。裁判所が絡む解決方法では、多種多様な書類を集めたり煩雑な申請を行ったりするため、自力で臨むにはハードルが高いのが現状です。
しかし、弁護士を介入させれば、専門的な知識に基づく準備が可能なだけでなく、十分な打ち合わせを行い食い違いが生じないよう対策を講じた上で、調停委員や裁判官から同情を得られるよう導いてもらえますので、非常にメリットが高いと言えます。
当事務所で対応する場合も、譲れない点を十分に主張しつつ、後の判断は裁判官に委ね事件処理がスムーズになるよう配慮しています。こちらが裁判所側の立場に立った思考や行動を行うことは、先方にとっても歓迎すべきことなので、調停や審判等をより有利に進めるためには欠かせない姿勢となってくるのです。
想像以上に煩雑な手続きを正確かつスムーズに進めてもらえる
遺産分割協議がどうしても合意に至らない場合、家庭裁判所における調停が必要になってきます。調停委員という第三者を介して相続人それぞれが冷静に話し合う場となりますが、その際、故人の戸籍全てを集め、相続人を確定し、財産調査と目録作成まで済ませて交渉に備えなければなりません。具体的には以下のような準備が必要になります。
相続人調査 | 故人が生まれてから亡くなるまでに作成された全ての戸籍を集め、相続人を確定させます。行方の分からない相続人が存在する場合は所在調査を行ってつきとめ、それでも不明である場合は所在不明として手続きを進めます。これら書類の準備や調査の実施は非常に手間がかかり、相続人がどうしても所在不明な場合は失踪宣告申し立てを行う必要があるなど、弁護士の力を借りなければ困難を伴いやすい点であると言えます。 |
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相続財産調査 | 故人がどこにどのような財産を持っていたか不明な場合、弁護士がその詳細を調査することができます。凍結預金の取り扱い等、一般的には難しい金融機関との交渉事を代理することも可能です。 |
財産査定 | 故人が保有していた財産にどれほどの価値があるか、弁護士が調査し、評価額の確定をサポートします。 |
当事務所においては、相続財産に不動産が含まれている場合、評価額の算定には連携する不動産鑑定機関の協力を得ることができますし、登記手続きでは連携する司法書士の力を借りて問題解決を図ることができます。
相続人間のトラブルを防ぎスムーズな解決を目指すなら当事務所へご相談を
相続問題は親族同士のトラブルでもあるため、一度感情的になってしまうと問題がこじれる傾向があります。相続が開始したら、関係者がより冷静に話し合える状況を作るためにも、できるだけ速やかに当事務所までご相談ください。